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駐車場1台分でバスケコートは作れる?|普通車は15㎡、2台分で30㎡

ガルバリウム鋼板の屋根と白い塗り壁の新しい日本の住宅。2台分のコンクリート駐車場で、右の1台分に白い普通乗用車が停まり、左の1台分だけに濃いグレーのインターロッキング式スポーツタイルが細長く敷かれている。タイルの表面は単色の無地で、パネルの継ぎ目のグリッドだけが見えている。タイルの範囲は隣の車と同じ幅・同じ長さで、幅2.5m×奥行6.0mの1台分。奥の壁際にタンク式バスケットゴールが立ち、黒いベースはタイルの外のコンクリートに置かれている

「うちの庭は狭いから無理だろう」で終わらせている人が、かなり多いと思います。

実際、コートのサイズを調べると出てくるのは公式フルコートの28m×15m(420㎡)。3×3でも11m×15m(165㎡)です。一般家庭の敷地でこの数字を見たら、話が終わってしまいます。

ただ、実際に納品しているコートの大きさは、その数字とはまったく違います。いちばん小さい納品実績は20.2㎡。普通車1台分の駐車スペース(6.0m×2.5m=15.0㎡)に、5㎡ほど足した広さです。

この記事では、狭い面積で何ができて、何ができないのかを、規格の数字で線を引きます。

INDEX目次
  1. 普通車1台分は6.0m×2.5m=15㎡
  2. 15㎡で何ができて、何ができないか
  3. 1台分でも成立する、小スペース特化ドリル
  4. 図面で見る、幅と奥行きの効き方
  5. 2台分(30㎡)で変わるのは、幅
  6. ゴールの足元を、敷地から引き算する
  7. 都市部なら、庭より駐車場を見たほうが早い
  8. 狭いほど、音は近くなる
  9. まとめ

普通車1台分は6.0m×2.5m=15㎡

前提の数字を先に押さえます。ひとくちに「1台分」と言っても、軽自動車・小型乗用車・普通乗用車で寸法が違います。

国土交通省の駐車場設計・施工指針は、駐車ますの大きさを設計対象車両ごとに定めています。表-2.4.1がその値です。

設計対象車両長さ幅員面積
軽自動車3.6m2.0m7.2㎡
小型乗用車5.0m2.3m11.5㎡
普通乗用車6.0m2.5m15.0㎡
小型貨物車7.7m3.0m23.1㎡

普通車1台分は6.0m × 2.5m、面積で15.0㎡です。しかも指針はこれを「示す値以上とすることを原則とする」と書いています。つまり下限です。

実際の住宅の土間は、これより広く取ってあるはずです。ドアを開けて乗り降りする余裕が要りますし、車の前が歩道や道路にはみ出さないよう奥へ寄せる分も要ります。下限ぴったりでは駐められません。まずはメジャーで実際に測ってください。15㎡を下回ることは、まずありません。

15㎡で何ができて、何ができないか

「何ができるか」は、結局この3つの距離で決まります。

やりたいこと必要な奥行き
ゴール下・リバウンド・ハンドリング2〜3m
ミドルレンジのシュート4〜5m
フリースロー(エンドラインから5.8m)6m
3ポイント(6.75m/ミニバスは一般と異なる)7.5m以上

▶ 関連記事:フリースローラインの距離はどこから測る?一般規格とミニバスの違いを正確に解説

フリースローラインは、エンドラインの内側から5.80m(リング中心の真下からなら4.225m)の位置にあります。普通車1台分の奥行は6.0m。数字だけ見れば入りそうです。

ただ、ここからゴールの足元を引かないといけません。タンク式をリング高305cmで置くと、ベースの奥行1.2mがタイルの外に出ます。敷地6.0m − ベース1.2m = タイルは4.8m。それで割り付けたのが次の図です。

幅5m×奥行4.8m(実寸4672×4977mm、タイル面積22.3㎡)のコート割付図。駐車場1台分の奥行6.0mからタンク式ゴールのベース1.2m分を引いた実際のコートで、短い縦線はミニバスのフリースローラインだけが入り、一般のフリースローラインは入っていない
駐車場1台分(奥行6.0m)にタンク式ゴールを置いた場合の実際のコート|幅5.0m × 奥行4.8m・タイル面積22.3㎡。短い縦線はミニバスのフリースローラインだけ

実測すると、バックボード面はベースラインの内側250mm、ボードの前に使えるのは4,422mm。ただしこれはリング高305cmでの数字です。

高さを下げると支柱が前に傾いて、ボードはさらにコート側へ出ます。カタログの張り出しは86〜96cmで、305cmのときが86cm、いちばん低い245cmで96cm。つまり低く使うほど、ボードの前は狭くなります。

だから線ごとに、実際に使う高さで見ないと意味がありません。一般のフリースローは305cm、ミニバスは260cmで使うからです。フリースローラインはボード面から測って、ミニバスが4,000mm、一般が4,600mmの位置です。

フリースローライン使う高さボードの前必要残り結果
一般305cm4,422mm4,600mm−178mm入らない
ミニバス260cm4,347mm4,000mm+347mm入る

一般は17.8cm足りません。図の短い縦線が1本だけなのは、そのためです。ミニバスのほうは、いちばん低い245cmまで下げても322mm余るので、どの設定でも入ります。

一般の距離まで入れたいなら、タイルの奥行を4,850mm取れば足ります。敷地でいえば約6.05m。あと5cmで届くという差です。実際の割付はタイルの刻みで決まるので、6.1mほど見ておけば入ります。それも取れないなら、ベースの小さいゴールか、足元がポール1本で済む埋め込み式を選ぶことになります。

足りないのは幅です。2.5mではラインの左右に立つ余地がなく、角度を変えて打つことも、リバウンドに入る人を置くこともできません。1台分は「正面からまっすぐなら、フリースローまで届く。ただし正面だけ」という広さです。3ポイント(6.75m)は距離そのものが足りません。

できるのは次の範囲です。

  • ゴール下のシュート、リバウンドの反復
  • ドリブル、ハンドリング、フットワーク
  • レイアップの踏み切りとフィニッシュ
  • 近距離のシュートフォーム固め

物足りないでしょうか。ただ、小学生から中学生の時期にいちばん反復が必要なのは、この4つです。3ポイントの距離が出るのは体格ができてからで、それまでは近距離の精度とハンドリングが土台になります。

逆に、1台分でできないこともはっきりしています。幅2.5mでは1on1のスペースは取れません。走ってのジャンプシュートも厳しい。「試合の形」を練習する場所ではありません。

1台分でも成立する、小スペース特化ドリル

ただし「ドリブルで抜く」という前提を外すと、狭さをそのまま負荷に変えられるドリルがあります。

  • ピボット&シュート(2秒以内):制限区域に見立てた狭い範囲で、ピボットからシュートまでを2秒で完結させる。狭い空間でバランスを崩さず打ち切る力は、そのまま実戦に出ます。
  • ゼロドリブル1on1:ドリブルを1回も使わず、ステップとシュートフェイクだけでかわす。走るスペースが無いからこそ成立する形で、兄弟でやるならこれが一番はまります。
  • ネット当てキャッチ&シュート:パス練習用のネットスタンドにボールを当て、跳ね返りをキャッチして即シュート。パスを受けてから打つまでの一連を、一人で反復できます。

広いコートには、スピードで逃げ切るという逃げ道があります。幅2.5mにはそれが無いので、足の置き方と重心の移動でしか解決できません。

▶ 関連記事:自宅に1on1コートを作る|チーム練習では絶対に手に入らない「個の技術」が育つ理由

図面で見る、幅と奥行きの効き方

ここからは実際の割付図で見ます。幅と奥行きのどちらを優先すべきかが、図にすると一目で分かります。

幅4m×奥行5m(実寸4977×3758mm)、タイル面積17.8㎡のバスケットコート割付図。バックボードとリング、ノーチャージセミサークルのみが描かれ、フリースローラインは入っていない
幅4m × 奥行5m(実寸 4,977 × 3,758mm)|タイル面積 17.8㎡

中央の円弧はノーチャージセミサークル(リング直下から半径1.25m)です。そしてこの図には、フリースローラインが1本も引かれていません。バックボードは公式規格どおりベースラインの1.2m内側にあり、その前に残るのは3.8m。ミニバスのフリースローライン(ベースラインから5.2m)にも届かないからです。

次の図は、幅を変えずに奥行きだけ0.9m伸ばしたものです。実寸5,891×3,758mm、タイル面積21.2㎡。1台分の15.0㎡との差は6.2㎡ですが、変わるのは面積より練習の中身です。

幅4m×奥行6m(実寸5891×3758mm)、タイル面積21.2㎡のバスケットコート割付図。右側にミニバスと一般のフリースローラインの位置を示す短い縦線が2本入っている
幅4m × 奥行6m(実寸 5,891 × 3,758mm)|タイル面積 21.2㎡。幅は同じで、奥行きだけ0.9m伸ばした

右側に現れた短い縦線2本が、フリースローラインの位置です。手前がミニバス(ベースラインから5.2m)、奥が一般(5.8m)。奥行き5.9mでようやく両方が収まります。ただし一般のラインの後ろに残るのは11cmほどで、立って打てても下がる余裕はありません。

なおこの2枚は公式規格どおりにゴールを置いた図なので、さきほどのタンク式を外に出した配置とは数字が違います。ゴールをどこに置くかで、同じタイル面積でも入る線が変わる、ということです。次でそこを説明します。

狭い敷地でサイズを決めるなら、優先順位は「幅より奥行き」です。上の2枚は幅が同じで、違うのは奥行き0.9mだけ。それでフリースローが打てるかどうかが変わります。

2台分(30㎡)で変わるのは、幅

ご両親がそれぞれ車を持っていて、2台分の土間があるなら話が変わります。普通車2台を並べると幅5.0m × 奥行6.0m = 30.0㎡。これも指針の下限なので、実際はもう少しあります。

30㎡は、納品実績の最小20.2㎡を大きく超えます。施工事例にある32.36㎡や48.39㎡と同じ範囲です。

奥行きは1台分と同じ6.0mなので、増えた15㎡はすべて幅です。幅が2.5mから5.0mになると、できることがこう変わります。

  • ゴールの正面だけでなく、45度の角度から打てる
  • フリースローラインの左右に立てる。打つ側とリバウンドを取る側に分かれられる
  • 兄弟で1on1ができる幅になる

面積は2倍ですが、練習の中身は「正面だけ」から「角度と対人」に変わります。1台分と2台分の差は、面積の差より大きいです。

片方の車を毎日使うなら、敷くのは1台分だけにして残りは駐車に使う、という分け方もできます。タイルは工具なしで外せるので、後から広げられます。最初から2台分を埋める必要はありません。

ゴールの足元を、敷地から引き算する

図面を見て、ゴールがコートの内側に入り込んでいるのが気になったはずなので、ここを説明します。上の2枚はどちらも公式規格どおりの配置です。

  • バックボードの前面は、ベースライン(エンドライン)の内側1.20m
  • リングの中心は、さらに内側の1.575m

つまりリングはコートの上に張り出しています。体育館のゴールを思い出してください。支柱は壁側にあって、リングだけがコートへ突き出ています。あの形が規格です。

この1.20mが、狭い敷地では効いてきます。奥行5.0mに規格どおり割り付けると、内訳はこうなります。

  • ベースラインからバックボードまで:1.2m(ボードの裏側。プレーには使えない)
  • バックボードの前:3.8m

5.0m敷いても、リングの前に使えるのは3.8mです。敷いた面積の24%が、ボードの裏側に回ります。タイル代を払って、使えない帯を作っていることになります。

ここで間違えやすいのが、「ゴールをコートの外に置けば1.2m分を節約できる」という考え方です。ゴール自身が場所を取るので、そうはなりません。敷地の奥行が6.0mしかないなら、ゴールの足元もその6.0mの中に入ります。外に出せるのは、タイルの外に別途の平らな土間があるときだけです。

計算はこうなります。敷地の奥行 − ゴールの足元の奥行 = タイルを敷ける奥行。得られるのは「使える奥行きが増える」ことではなく、ボードの裏側になる1.2mにタイルを敷かなくて済むことです。足元は素のコンクリートのままでよく、そこにタイル代はかかりません。

そして足元の大きさは、ゴールの種類で大きく違います。

ゴールの種類足元が占める範囲狭い敷地での向き
埋め込み式ポール1本分有利。ただし基礎工事が必要
タンク式(移動式)タンクのベース1つ分足元を引き算する必要あり

狭い敷地で使える面積を最大にしたいなら、足元が小さい埋め込み式のほうが有利です。支柱1本分しか取らないので、タイルを敷ける奥行がその分だけ伸びます。ただしコンクリートを壊して基礎を打つ工事が要るので、費用と可逆性はタンク式に劣ります。

タンク式を選ぶなら、買う前にベースの外寸を確認して、敷地の奥行から引いてください。1台分(奥行6.0m)でフリースローラインが入るかどうかは、この引き算の結果で決まります。

実際の製品寸法で割り付けると、同じ面積でもボードの前が95cm変わります。割付図を実測して比べたものが下記です。

▶ 関連記事:タンク式バスケットゴールの設置スペース|実寸で割り付けると、コートは何m敷けるか

どちらを選ぶかは面積だけの話ではなく、揺れ・寿命・撤去のしやすさも絡みます。比較は下記にまとめています。

▶ 関連記事:埋め込み式とタンク式どっちが正解?自宅用バスケットゴールの設置方法を徹底比較

都市部なら、庭より駐車場を見たほうが早い

狭い敷地で探すとき、まず庭を見たくなります。ただ、都市部の住宅で平らで硬い面がまとまって取れているのは、たいてい駐車場です。

タイル式のコートは、コンクリートかアスファルトの上にそのまま敷けます。土や芝生だと下地づくりが必要になり、そこが費用の大半を占めます。既存の舗装があるなら、一番高い工程が最初から終わっている状態です。

取り外せるので、車を使う時間は元の駐車場に戻せます。うちも駐車場(5.0m×7.0m)に敷いています。

もう一つ、あまり語られない効果があります。タイルが作る「区画」は、心理的なスイッチになります。色の変わった床面に足を踏み入れた瞬間、そこはただの駐車場ではなくなる。うちの子どもたちも、敷く前と後では、コートに出るまでの腰の重さが明らかに変わりました。

▶ 関連記事:駐車場をバスケコートにする|既存コンクリートなら工事費ゼロ・最短2〜3時間

狭いほど、音は近くなる

ひとつ注意点があります。敷地が狭いということは、隣家との距離も近いということです。

コンクリートやアスファルトの上で直接ボールをつくと、衝撃音がそのまま反響します。狭小地でコートを作るなら、床材の選択は「膝のため」だけでなく「音のため」の判断でもあります。

▶ 関連記事:庭バスケの「ダムダム音」を抑える防音対策|近所迷惑にしないための床材と消えない理由

まとめ

  • 公式サイズ(420㎡)や3×3(165㎡)は判断の基準にならない。納品実績の最小は20.2㎡
  • 普通車1台分は6.0m×2.5m=15.0㎡(国交省指針の下限)。タンク式のベース1.2mを引くとタイルは4.8mで、入るのはミニバスのフリースローまで(一般は17.8cm足りない)
  • 2台分なら30㎡。増えた分はすべて幅で、45度からのシュートと兄弟1on1ができるようになる
  • ゴールの足元の奥行は敷地から引き算する。足元が小さいのは埋め込み式(ポール1本分)で、タンク式はベースの外寸をカタログで確認してから決める
  • フリースローを打つなら奥行き6m。幅より奥行きを優先する
  • 都市部は庭より駐車場。既存の舗装があれば一番高い工程が要らない
  • 狭い敷地は隣家も近い。床材は音の判断も兼ねる

幅と奥行きを入れれば、その面積でのタイル代・送料・関税込みの総額がその場で出ます。「うちには無理」かどうかは、数字を見てから決めてください。

DESIGN & ESTIMATE

あなたの敷地に合わせて、設計できます。

MAKACの完成予想図の例。コートの配色とラインが原寸比で描かれ、概算金額も入っている
  • 総額:タイル代・送料・関税込み
  • 完成予想図:ラインと配色を反映
  • 依頼:見積もりだけでも構いません

WRITTEN BY

柴田 祐輔

柴田 祐輔

MAKAC 運営責任者 / Blueprint Studio

バスケをする息子2人(中学生・小学生)の父。JBA公認E級コーチ・E級審判。自宅のアスファルト駐車場(5.0m×7.0m)に自らコートを施工し、息子たちと日常的に使用している。競技規格・製品仕様・施工実務の三方向から、自宅コートに関する情報を執筆・監修。

JBA公認 E級コーチ JBA公認 E級審判 自宅コート施工実績あり
JBA公認E級コーチ・E級審判の資格証(2026年度)
JBA公認資格登録証(2026年度・個人情報は一部マスキング)
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