タンク式バスケットゴールの設置スペース|実寸で割り付けると、コートは何m敷けるか
ゴールのカタログには、バックボードの大きさやリングの高さが書いてあります。ただ「これを置くとコートを何m敷けるのか」は、どこにも書いてありません。
タンク式(移動式)のゴールはベースが場所を取ります。その分を敷地から引かないと、図面どおりのコートは入りません。ここでは実際の製品寸法で割り付けて、同じ広さの割付図を2枚並べて比べます。
カタログで見るのは3つの数字
高さや盤面の大きさより先に、床をどれだけ占めるかを見ます。例として、simpoluのタンク式(リング高245〜305cmの5段階)の寸法を挙げます。
| 見る数字 | 値 | 何に効くか |
|---|---|---|
| ベースの奥行 | 120cm | 敷地から引く分。ここが本命 |
| ベースの幅 | 72cm | 左右は余りやすいので影響は小さい |
| ベース前端からリングまでの張り出し | 86〜96cm (高さで変わる) | ボードをどこまで端に寄せられるか |
| バックボード | 122 × 82cm | 公式規格は180 × 105cm |
| リング直径 | 45cm | 公式規格と同じ |
| 高さ調整 | 245・260・275・290・305cm (5段階) | ミニバス260cmも一般305cmも出せる |
大事なのはベースの奥行120cmと、張り出し86〜96cmの2つです。この2つで、ゴールを敷地のどこまで端に寄せられるかが決まります。
高さを5段階から選べるので、ミニバスの260cmから一般の305cmまで、この1台で通せます。
同じ28.2㎡を、公式配置とsimpolu バスケットゴールで比べる

幅5m × 奥行6m(実寸 5,891 × 4,977mm、タイル面積28.2㎡)を例にします。まず公式規格どおりに割り付けた図です。

1枚目は公式規格どおり。バックボードの面はベースラインの内側1.2m、リング中心は1.575mに来ます。体育館と同じ配置です。
▶ 関連記事:駐車場1台分でバスケコートは作れる?|普通車は15㎡、2台分で30㎡
次は同じ広さに、simpolu バスケットゴールをベースをタイルの外に出して、ベース前端をタイルの端に合わせて置いた図です。リング高は305cmに設定しています。

バックボードがベースライン際まで寄ります。この図を実測すると、ボード面はベースラインの内側250mm、リング中心は633mmでした。
| 公式配置 | simpolu(305cm) | 差 | |
|---|---|---|---|
| バックボード面(ベースラインから) | 1,199mm | 250mm | −950mm |
| リング中心(ベースラインから) | 1,586mm | 633mm | −953mm |
| リング先端(ベースラインから) | 1,826mm | 872mm | −955mm |
| ボードの前に使える奥行 | 4,692mm | 5,641mm | +950mm(+20.2%) |
同じ28.2㎡で、ボードの前が95cm広くなります。タイルを1枚も増やしていません。変えたのはゴールの置き方だけです。
図のリング先端はベースラインから872mm。ベース前端をベースラインに合わせているので、ベース前端からリング先端まで86cm。カタログの表記とぴったり合いました。
なおカタログの「86〜96cm」はベースからリングの先端までの距離で、製品によって基準が違います。バックボード面までを書いている製品もあるので、他機種と比べるときはリング中心に揃えてください。ボード面からリング中心までは約385mm(上の2枚の実測。FIBA規格の375mmとも一致)、リング半径は225mmです。
理由は構造です。タンク式はベースが独立しているので、ベースを敷地の端(壁側)に寄せると、そこから張り出したボードがベースライン際に来ます。埋め込み式は支柱の位置をコンクリートで固定するので、この寄せ方は施工のときに決め切る必要があります。
▼今回例で使用したゴールはこちら
ただし、ベースは敷地を食う
ここが抜けやすいところです。ボードを端に寄せた分、ベースはタイルの外へはみ出します。そのはみ出しぶんは敷地に要ります。
この置き方だと、ベースの奥行120cmがそのままタイルの外に出ます。つまり、
- タイルを奥行5.9m敷くなら、敷地の奥行は約7.1m要る
- 逆に敷地の奥行が6.0mなら、タイルは約4.8mまで(6.5mなら5.3m、7.0mなら5.8m)
「ゴールを外に出せば1.2m分を節約できる」という話は、外に出す場所が敷地内にある場合だけ成り立ちます。計算はこうです。
敷地の奥行 − ベースのはみ出し = タイルを敷ける奥行
なお、ベースの下にタイルを敷く必要はありません。素のコンクリートのままでかまいません。ボードの裏側になる帯にタイル代を払わずに済むのが、この置き方の実利です。
高さを変えると、張り出しも変わる
張り出しが「86〜96cm」と幅を持って書かれているのは、高さを変えると支柱の角度が変わるからです。低くすればボードは前に出て、高くすれば起き上がります。
つまりミニバスの260cmで使っているあいだと、305cmに上げたあとで、リングの位置が前後します。割付はいちばん使う高さで決めてください。子どもが小学生なら260cm、中学生以降なら305cmが基準になります。
▶ 関連記事:バスケットゴールの高さは305cm・ミニバスは260cm|切り替え時期と年代別の選び方
まとめ
- カタログで見るのはベースの奥行とリング前端からの張り出し。高さや盤面より先にここ
- 実機をベースライン際に寄せると、同じ28.2㎡でボードの前が約1m(+21%)広くなる
- その代わりベースが敷地から約1m食う。敷地の奥行 − はみ出し = 敷ける奥行
- 張り出しは高さで変わる。いちばん使う高さで割り付ける
敷地の寸法が決まっているなら、そこから逆算した割付と金額をその場で出せます。
出典
- FIBA Official Basketball Rules — Basketball Equipment(PDF)|1.1.3 バックボード寸法、1.2.4 リング高、1.4.3 支柱の離隔
- 製品寸法はsimpoluの仕様表記より。ベース奥行と張り出しは製品ごとに違うので、別の機種を選ぶ場合は必ずカタログで確認してください
割付図の数値は、上記の図面を実測したものです。